冬の月

ふと仰げば群青色の 夜明け前の空は深く
銀の月が冷えた笑みで 心照らす
指弾けば硬い気配 ひび割れてはキラリキラリ
塵のように星の光 降りそそいで
闇は今薄靄(うすもや)の中に溶け 身の奥に暖かく
沈んで潜(ひそ)むように待つだけ
思い出は光の穂先に触れ 震える声を上げて
希望へと変われよと
瑞々しい愛の心 時の扉開き招く
冬の月を天頂に掛け 祈り紡ぐ

目を閉じれば朝の香り 透(す)けるように身を包んで
銀の月が向かう先へ 心運ぶ
繰り返して響く歌は 小鳥たちの交わす息吹
光の波立ち昇れば 影薄れて
過去は今昨日の霧の中に 静かに引き込まれて
ただただ眠るように流れる
見渡せば桃色の雲の中 翼(つばさ)を得て馳(は)せるは
喜びにそよぐ風
夢のような時の流れ 慈しみと愛の言葉
冬の月を白く染めて 頭(こうべ)垂れる
瑞々しい愛の心 時の扉開き招く
冬の月を天頂に掛け 祈り紡ぐ
瑞々しい愛の心 時の扉開き招く

冬の月を天頂に掛け 祈り紡ぐ

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