迷子のホタル

ホタルひとつに 息を止め
川の流れに 聞き入れば
なにか ひと言 つぶやいたまま
ホタルはあれから 光らない

波に乗れない この世でも
清く生きるさ 人として
受けた恩なら あの世できっと…
ホタルは黙って 灯(ひ)をともす

人をのぞいた つもりでも
のぞかれていた 腹のなか
地獄 極楽 走り抜けたが
まだまだレールに 駅は無し

濁り水では 生きられず
明日(あす)の行方を 誰が知ろ
浮き世 見つめて まばたくホタル
空に飛び去り 星となる
空に飛び去り 星となる
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