はるかに蝶は

はるかな海の かなたから
春をひらひら 舞いながら
渡ってくると 人のいう
まぼろしの蝶を しらないか

かすかにひかる 地平線
まだ見ぬ国を 夢みつつ
嵐にたえて けなげにも
かよわい蝶は 夜をとぶ

ある朝蝶は 陸をみる
いのちのかぎり はばたいて
春の香りを まきながら
しずかに蝶は 虹となる

そのとき大地 花ひらき
まぼろしの蝶は よみがえる
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