Utopia

嗚呼 遥かなハリボテの空
永久凍士 ここはユートピア

ハイファイな海に飛ばす紙飛行機
正確な角度で焼却炉へ

新作の季節は
フィルムショーのポスター
肝心なシーンは切り取られてる
それでも泣けるように

ほら 恰も僕の頭が解して
愛しているかのような
どうして どうして
知らないはずの声が
響く真空管の世界 一人

淡白な意味で犇くランドマーク
空撮の都市は幾何学模様

体も声も名前も
貸し付けたんだ疾うに
汚すのが怖いって
笑って 笑って

ほら 恰も僕の心が欲して
恋しているかのような
どうして どうして
いらないはずの今日で
満ちた環状線の舞台 一人

目を閉じていたの
あの日からまだ

初めて開けたこの目で
全部 全部 選び直すよ

返して 返して
脚色のない僕の描いた
それがユートピア
ただ 確かな雪解けの気配
二度と目覚めない温い夢のように

響く心臓の音が近い
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