くれないの糸

溶けてゆく身の 雪さえ染めて
女ごころの 陽炎(ひ)が燃える
帰る背中を 見送りながら
恨むどころか 恋しさばかり
赤い雪です くれないの糸

切れて結んで ほどいてくくる
胸でもつれる 恋の糸
膝で眠った あなたの頬に
落ちるしずくは わたしの涙
離さないでね くれないの糸

雪と一緒に 散る気でしょうか
河津桜(かわづざくら)が ホロホロと
春を待てずに 凍えて咲いて
つらいはずです わたしも同じ
あなたひとすじ くれないの糸
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