夫婦しぐれ

夫婦しぐれか あの夜の
雨が縁(えにし)の おまえとふたり
爪に火灯す 暮らしでも
添えばぬくもり 温かい
浮世七坂 手をとりあって
越えて迎えた いまは春

にごり川にも 愛があり
鷺(さぎ)もつがいで しあわせしてる
同じ歩巾で 歩けたら
それでいいのと 云うおまえ
背(せな)にすがって 泣く日もあった
思い出すたび 愛おしい

時の流れと 人の世に
添って歩ける 夫婦になれた
莫迦(ばか)を承知の まわり道
いつもおまえが 傍にいた
この手離すな これから先も
夫婦しぐれに 濡れる春
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