ランチタイムラバー

つまり これは恋だってこと?
気付いてからは節約をやめたんだ
ふわり 春風が吹いたから
いつもの店に吸い込まれていくのよ

自動ドアの向こうにあなたを見つける
その前で透けてるわたしは服を撫でる
目立ちたいわけじゃない
見てほしいわけじゃない
だって

あなたの顔が
あなたの髪が
あなたの指が
動くのを見逃したくない
今だけなんだ
限られてんだ
美味しそうに食べるあなたが好き
名前も知らない なにも知らない
ランチタイムラバー

いつも 一人で来ているのに
今日は楽しそうに友だちと会話
初めて 見れた笑い皺も
名前も会社名もメモする紙ナプキン

そのときに気付いたの わたしはあなたを
なにも知りたくなかった 知れば知るほど
手の届くような場所で
似たような日々繰り返してる

うつ伏せで寝るから まつ毛が短いの
想像だらけ それが全て
造られた花なら 枯れることもないの
わたしの恋 芽吹かないで

あなたの顔が
あなたの髪が
あなたの指が
動くのを見逃したくない
今だけなんだ
それだけでいいんだ
美味しそうに食べるあなたが好き
名前も知らない なにも知らない
ランチタイムラバー
×