一枚の切符

哀しい物語よ
どうかふたりを責めないで
暗い川を いくつも渡る
この愛の行方

その手に切符を 手渡して
待ってるからね、と 背を向ける

震えるその声 君が小さく
ひどい人ね、と 言うのが聞こえた

きっとすべてを 捨てさせる
だけど僕は 奪いたい

哀しい物語が
始まることも分かってる
秋の終わり マロニエ並木
一枚の切符

夜更けの列車に した訳は
人目を忍んだ だけじゃない

片方裸足で 駆け出すような
愛にしたこと 覚えていたくて

まっすぐ君は やって来た
時を告げる 鐘が鳴る

哀しい物語よ
どうかふたりを責めないで
暗い川を いくつも渡る
この愛の行方

列車は北へ 走り出す
君は僕を 見つめない

哀しい物語が
始まることも分かってる
秋の終わり マロニエ並木

一枚の切符
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