霧雨に触れる

些細な嘘に出逢ったの
知らぬふりなんて慣れっこなの
私強くなったのかな
何かを諦めたのかな

そんな時に雨は降るの
予報を見ないのもわざとなの
貴方は今日も懲りずに
私に傘を渡す

「無駄だな」って
時を過ごすことはどれ程の罪だろう
明日死ぬかもなんて
想像も出来やしない
それでいいってさ
本当はみんな思ってないの?
幸せなんて自覚するのが
一番怖いと思ってた

くだらないはずの日々に
貴方がいて
いつの間にか霧雨に
優しくなる私になれた

なにもかもが終わりへと
向かっていくなんて嘘みたいなんだ
今は考えるな

些細な嘘は私を
ひねくれ者にしようと企むの
疑うくらいなら騙された方がましなのに
どうしても怖くなって
一人になりたくなってしまうなら
霧雨に触れて
憂鬱と同居する優しさに触れて
貴方を思い出した

くだらないはずの日々に
貴方がいる
それだけでこの世界が
価値を持ったような気がした

何もかもが終わりへと
向かっていくなんて嘘みたいなんだ
今は考えるな

くだらないはずの日々に
貴方がいて
いつの間にか霧雨に
優しくなる私になれた

だから明日も明後日も
ずぶ濡れでも一緒に歩いていけると
思った

くだらないはずの日々に
貴方がいる
それだけでこの世界は
明らかに価値を持ったんだ

何もかもが終わりへと
向かっていくとしてもその手を伸ばして
今日を生き抜いてく
だから今
貴方に触れる
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