手紙の歌

雨の音が今夜はやけに部屋に響く
声に出すと涙まで流れそうになる
元気でいますか?と月並みな言葉すら
月灯りの影で隠れんぼ

優しいその声がずっと好きだった
今日みたいな夜は特に優しかった
あの花が一輪だけ咲いたような
リララ リラ
真剣になるのと深刻になるのは
似てるようで違うとわかってるのに
相変わらず夜の出口を見つけられず
こぼれ出した朝に返す言葉がないのさ

外がなんだか静かだった
天気予報は外れていた
元気じゃなくたって構わないけど
教えてくれた言葉 あのたった一言だけが
形のない願いなんだ

真剣になるほど深刻になるのは
いつもの悪い癖だと気づいた夜に
渡せないまま捨ててしまったあの手紙を
ゴミ箱の中から掬い上げた

どこかで笑っていてほしいよ
それでもいつかはまた会いたいよ
話したいことも聴かせたい歌も
溢れるくらい用意しとくから
誰かと比べなくてもいいよ
それでもいつかはまた並びたいよ
過去には戻れないけど僕は忘れない
親愛なる君のあの横顔を

真剣になるのと深刻になるのは
似てるようで違うね その通りだね
色褪せた手紙を夕暮れに重ねた
君の幸せを僕だって願っている
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