海螢

古い上着を 捨てて船に乗る
男の背中に 頬つけて
ひとつだけ たのみます この恋を
離れて果てに 旅する人の
夢の命が 枯れないように
踊れ 踊れ 海蛍

遠い潮鳴り 抱いて待っている
女の耳に 唄しぐれ
ひとつだけ つたえます この恋を
波より遠く 旅する人の
夢の蕾が 弾けるように
踊れ 踊れ 海蛍

雪も降らずに 海に舞いさかる
蛍の明かり きらきらと
ひとつだけ とどけます この恋を
掴んで強く 旅する人の
夢の嵐が 吹き巻くように
踊れ 踊れ 海蛍
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