汽笛がおまえを呼んでるぜ

傷をかくしたジャンパーの
胸のコルトが重くても
捨てちゃならない男の意地が
霧にけぶる夜
「さびしいなぁ、逢いたいなぁ」
スーツケースに刻んだ名前
汽笛がおまえを呼んでるぜ

揺れて座った三等車
窓の曇りを手袋で
拭けば映った女の顔が
霧にしのぶ夜
「にてるなぁ、逢いたいなぁ」
ソフトハットに挟んだ切符
汽笛がおまえを呼んでるぜ

斜に構えたスリーエー
青い煙が苦くても
消しちゃならない面影ひとつ
霧にむせぶ夜
「こいしいなぁ、逢いたいなぁ」
プラットホームに灯すライター
汽笛がおまえを呼んでるぜ
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