しろくならない

“拝啓 今、貴方はお元気ですか。
東京はもうすっかり冬の匂いで寂しいです。
私はまだ貴方の事を想って…”
まで書いた手紙をそっとしまう

照れ臭くて飲み込んだ言葉たちが
雪になって君の元へ降るなら良いのにな
「東京には滅多に雪が降らない」って聞いた事
何となく思い出す

沢山の思い出貰ったのに 今もまだ何かを欲しがって

大事なものって本当に失くしてから気付いてしまうんだね
他人事だと思っていたんだけれど
あの時 涙の理由を 君の気持ちに 気付いてあげられたら
後悔ばかり積もるのです

路地裏に迷い込んだ猫を追って
振り返ると知らない場所にいた 少し寒い場所に
写真を見て泣いてる人が見える
指の間 すり抜け落ちて行く

この雪やがて消える頃には 僕は歩き出せるかな?
君がいなくても私は元気でいられる 大丈夫だよ
この雪やがて消える頃には 僕は歩き出せるかな
今までの事 全部ありがとう

さよなら ふたり過ごした狭い部屋とか
灰色のマフラー
寝顔や笑って目を瞑る癖とか
本当は話したかったし伝えたかったけど
もう叶わないなら この歌が君に届きます様に

冬の匂いの残る街 すれ違う人を振り返って
季節を想う 季節を想う 貴方を想うのです

“拝啓 今、貴方はお元気ですか? 貴方の事ずっと好きでした”
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