カンパニュラ

芽がでて 嬉しそうに 水をやる ふたり
育つかな 淡く しなやかで まぶしい

不安だ 口ぐせの嘘は
逃げだそうとしている前触れだ
そのくらい わかるさ

そばに立って つぶやいて
「背をのばせよ まだ 高く」
つま先立って 強がった
ただ 目をそらす 二人

静かな 風と光のその先へ
響くかな 遠く 穏やかで優しい

馴れ合いで ここにとどまれば
ふたつの影 並んでいたんだ
まだツボミのままで

どうしたって そう 日々は過ぎるもの
動揺してんだろう 息も出来ぬほど
思い知ったろう 己の無力さを
「咲かない花」ってのがあることを

お前がいないなら やめてしまおうか
スライド式で二人三脚を思い出した
新しい 種まいて 別れたことを
後悔しないで

独りになって つぶやいた
芽がでてきて 振り向いた
ただ 鮮やかな 未来をイメージして
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