ROLLING DOWN

誰も手をひいてくれない
だからもう足が動かない
呼んでみても母さんはいない
あの日坂の下に残して来た

耳もとであまくささやく声は
「もうおやめ 登るのは」
それはまるで母さんの声
おまえはもう何も考えない

おまえの ROLLING DOWN
かなしい ROLLING DOWN
目をとじて 身をまかせ
落ちて行く 落ちて行く

街の中 ゆれる人波
ふらふらと歩く おまえは
足がとても とても細いので
キレイだけど 長くは歩けないの

耳もとで あまくささやく声は
「もういいよ お休みよ」
ぼくが昔 熱を出した時
ねかしつけてくれた やさしい声が

おまえの ROLLING DOWN DOWN DOWN
たのしい ROLLING DOWN DOWN DOWN
目をとじて 身をまかせ
落ちて行く 落ちて行く

このままでいれば そのうちに
暖かな胸にもどれる
坂の下で母さんはいつも
ぼくを抱きとめようと 待っている

おまえの ROLLING DOWN DOWN DOWN
夢見る ROLLING DOWN DOWN DOWN
目をとじて 身をまかせ
落ちて行く 落ちて行く
奈落の底で 手をひろげ
むかえる そいつは 母さんじゃない!

おまえを呑みこむ
白い蛇
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