隣り町のしのぶちゃん

ぼくの住む街のちょっとはずれのとなりの町の
ぼくの大好きなしのぶちゃんのおうちがあります

しのぶちゃんのお父さんは
赤いレンガのビール工場へ
お母さんは郵便局で働いています

しのぶちゃんのお部屋は二階の六畳で
窓から波の音 草の芳りがしています

しのぶちゃんのお庭には
いつも白い洗たく物が
春には赤いツツジがいっぱい咲いてます

ぼくは学校サボッてしのぶちゃんのお家の前に
そして 大声で”好きです しのぶさま”と

しのぶちゃんは耳を傾け笑ってくれるだけ
生まれつき 耳のきこえないしのぶちゃんなのです

ぼくの住む街のちょっとはずれのとなりの町の
ぼくの大好きなしのぶちゃんのおうちがあります
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