家族

一緒に過ごした 時の長さが
愛というものを 伝えるとしたら
いつもいない僕が 愛してないと思うかい
流れる涙を そっと拭いてくれる
この手のひらが 欲しくてたまらず
側にいない僕を 責めてみるのかい
菜見子 空見子 聞こえますか
父は未だ 旅の途中
翼もないのに 空に憧れている

言葉で確かめ合うこともなく
静かなことが 幸福だとしたら
いつも二人に僕は 幸福を待たせてる
幸福なのかと尋ねるたびに
幸福ですよと 言葉を返すほど
きっと僕の妻は 不幸福に違いない
菜見子 空見子 聞こえますか
父は未だ 徘徊つづけ
帰りたいと言えずに この道歩いている

愛されていると 思わなくていい
愛していると 気づかなくていい
どんなに遠くいても 家族なんだから
菜見子 空見子 聞こえますか
父は未だ 夜に眠れず
おまえたちの事 想い出している
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