スケッチ

暗い窓から灯を探す
雨降り風吹き雪落つ日々に
机の隅の鉛筆ひろい
スケッチ・ブックの落書きつづく

幼い頃に夢見た夢は
赤や黄色や白や緑
小さな花の冠かぶり
花のお城の王子さまだよ

星のきれいな寒い夜に
一人の男が酒を飲んで唄う
まがった口から流れる唄に
忘れかけた故郷思う

汚いネオンが川面に映り
道を忘れた旅人一人
装うことしか知らない女に
愛の行方をたずねている

夢を追うなと教えた人が
夢を抱いて死んで行った
みぞれ混りの雨降る中に
盲の犬が高く吠えてる

あてない時が流れて過る
多くの人が影となって揺れる
一つの窓から見上る空は
今日も昨日と同んなじ空か
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