あんまりじゃない?―恋なし子―

ガラスで囲まれてるカフェ
木目のテーブルの上に
ぼんやりと頬づえをついていた
通りの向うのデジタル
パラパラ数字がめくれて
黄昏がハートをノックしてる

急に電話で
呼んだくせして
2時間以上待たせて
どういうつもり?

あんまりじゃない? (勝手に)
あんまりじゃない? (しなさい)
理由ありな口ぶりで
期待させといて
あんまりじゃない?
あんまりじゃない?
私だけ ひとりきり
ポツンと座って
恋なし子みたい

紅茶が薄くなる頃に
あなたが息を弾ませて
アスファルト 走っては来たけれど
ファッション雑誌で
顔を隠して
お目当ての人 とっくに
いないフリした

遅すぎじゃない? (頭に)
遅すぎじゃない? (来ちゃうわ)
いつだって 待ってると
思っているのね
遅すぎじゃない?
遅すぎじゃない?
今 目と目 合ったって
そう簡単には
許してあげない

あんまりじゃない? (勝手に)
あんまりじゃない? (しなさい)
大声でごめんねと
急に 言われても
あんまりじゃない?
あんまりじゃない?
人前じゃ恥かしい
あとでゆっくりと
言い訳 聞かせて
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