壇ノ浦恋歌

潮の流れが ぶつかり合って
岩を削って 渦を巻く
生きるか死ぬかの 恋をして
面影浮かべて 夜が更ける
女の命 まるごとあげる
心が燃える 壇ノ浦
本気で惚れて いるのなら
海峡渡って 抱きに来い

月の明かりが 火の粉になって
闇を切り裂き 舞い落ちる
ひとりの寝床は 寒すぎて
枕を抱えて いるばかり
あんたの他に なんにもいらん
焦がれて燃える 壇ノ浦
浜辺で切った 足の指
ひと月過ぎても うずき出す

女の命 まるごとあげる
心が燃える 壇ノ浦
眠れぬ夜は なおさらに
この手がその胸 恋しがる
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