冷たい渦

何気なく涙ながれて
寄る辺ない夜に急かされ
ざわつく心の奥が
少しだけ痛くて
重なり積もる悲しみが
忘れてしまう喜びが
ぐちゃぐちゃになっていく
冷たい渦を巻くんだ

もう二度と治らない
不安という病が巣食って
街をゆく誰も皆、黒い羊
指先が触れるたび
何か奪われた気がして
抱き合って尚も疑い合い
花の根が腐るまで水を遣ってた

ありふれた愛の温度を
一度知ってしまったせいで
肌を刺す孤独の冷たさだけが
耐えれなくて
枯れるまで流した涙
喜びも悲しみも混ざり合っていく
潰れそうな心の奥
僕を飲み込んだ冷たい渦

台風の目の空っぽに
何もない凪の日暮に
ただうずくまっている
誰か僕に触ってよ

季節から僕だけが
弾き出されてしまうような
白昼夢が、僕に映る全てだった
差し伸べた君の手に
辿り着けた時にはきっと
あらゆる詩歌も通り過ぎる
空の自分でさえ許してあげるのに

ありふれた愛の温度を
一度知ってしまったせいで
肌を刺す孤独の冷たさだけが
耐えれなくて
枯れるまで流した涙
喜びも悲しみも混ざり合っていく
恋焦がれた世界から
僕を遠ざけた冷たい渦
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