埋み火

それは ほんの
かすかな火 ゆらめいて
もう今にも
かき消されてしまいそう

遠くけだものの声
角笛が鳴らされて
歩くあてなど
とっくに失われ
渦に飲み込まれていく
翳り 腐り果てていく
黄泉への旅さ

灰になっていく
こんなんじゃない
遠くなっていく
こんなんじゃない

弔いの
葬列はフラジャイル
祈りは そう
唇の中

灰になっていく
こんなんじゃない
遠くなっていく
こんなんじゃない

灯火にくべた熱の種子
それが偽物だと気づいたのはね
いつかの朝だったな
それすら ごらん
犯されていく
この狂気だけなの
たとえ嘘でも赦しをくれるのは

焦がしてよ
目が醒めるたびに ああ今日も
夢ではないと哀しむだけなら
もういいよねって思う

壊してよ
それでも歩き続けている
なんて馬鹿げたウィアード・テイルだ
埋み火 消えちゃいそう

黄泉への路は片道さ
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