朱色の月

この別れを知らずに笑いあえた日を
── そっと偲ぶように歩を進める
沈みゆく陽、短きマヅメの蒼空 一瞬、瞼閉じて見えた

美しき人よ、誰にでもわかるものではないだろうけど
「近すぎてさ、ぼやけてた」 まだ眩しくて
まだ眩しくて

頭上の三日月が、滲んだ朱色に染められてゆくのを眺めている
「飛ぼう」僕は今も鳥になりたくて、叶わない夢に焦がれる
帰らなくちゃ、遠い未来 出会う場所へ
儚く欠けた月の下

この別れを知らずに笑いあえた日を
── そっと懐かしんで歩み止める
静かに舞う拙き想い出の跡に
── そっと涙こぼれ落ちた

美しき日々よ、誰にも言えない愚かな過ちのことを
窓に映る本質が、ただ醜くて
ただ醜くて 嗚呼……

ごらんよ、三日月が狂った朱色に染められゆくのが見えるよ ほら
「飛ぼうか鳥のように」夢中の揺り籠で目を覚ますなんてできない
まだ揺らめく、遠い未来 出会う場所は
儚く欠けた月の下

時が救いをくれるなら、もっとバカになれたかな?
忘れてゆくだけ 忘れてゆくだけ 忘れてゆくだけなのに

頭上の三日月が、滲んだ朱色に染められてゆくのを眺めている
「飛ぼう」僕は今も鳥になりたくて、叶わない夢に焦がれる
多情な三日月が、ふたりを照らすように深い群青が侵した空
無情に過ぎてゆく、無情に過ぎてゆく、夢も現実も醒めてく
帰らなくちゃ、遠い未来 出会う場所は
このまま欠けた月の下かな

儚く欠けた月の下
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