こころの手紙

あの街の あの家にまだ暮らしてる
赤い屋根は古くなり おかしいくらいです
突然に 一人住まいが始まって
涙の鍵が取れたように 何日も泣いたけど

今年も小さな ビオラの蕾がついて
あなたの好きな 冬がやがてやって来る

いつかまた逢いましょう
でももう少しここで
頑張るからね

何もかも 迷ってばかりのわたしを
笑いながら指先で 頬をつついた人
夕暮れの 改札口の向こうから
リュックを背負い手を上げる 幻が見えそうで

わたしを残して 長い旅に出たあなた
笑顔と夢と 得意の手品を持って

いつかまた逢いましょう
でももう少しここで
頑張るからね

星空に指先で 好きよと書いて送る
こころの手紙
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