箱庭の幸福

しあわせのかたち 背伸びもまぜて描いた
永遠に枯れることのない 花のクラウン
原色の箱庭の中 あらそいはないの
退屈もないのミラクルもちりばめてさ

こぼしたの、あの子 バケツ
雨なんていらないのに

つま先だちの明日はきれい
そのはずだった なのに
ケンカ、のち 滲んでみえる景色も
なかなおりの散歩道もそう
あわいに溶けていく グラデーション
未来、濡れていいから あの子にいてほしい
ひとりで しあわせなんて むずかしいね

しあわせにくらしました。のあと
すえながく、はどれくらいなの?
最後のページが閉じられたら
ぽつんとひとり
消えいりそうにごめんね、とくれた
お菓子をくるんでた銀紙の 甘い匂い

ジャマしたの、あの子 クレヨン
夜なんていらないのに

つま先だちの明日はきれい
手にしたなら儚い
思いがけないこと 連れてくるのは
ちがう誰かになって世界を
見渡してみるような 静かな夜
塗りつぶしていいから あの子にいてほしい
ひとりでしあわせなんて なれないから

思いどおり並べて 自分しかいないじゃない
つま先だちで見た 幼い夢
冷たい雨濡れることもない
傷口に触れることもない
そうやって閉じ込めた

あどけないしあわせ もしかしたら
叶ってしまっていたなら
あの子、遠ざけていたまま
それは取り戻せない、さよなら
つま先立ちの明日はきれい
そのはずだった なのに
ケンカ、のち滲んで見える景色と
なかなおりを抱きしめる夜の
眠りに溶けていく グラデーション
世界に出逢えるのは あの子がいるから
ひとりでしあわせになるのは むずかしいね
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