Vanilla

白い雪が
白い息が
夜に溶けていくみたいに
君のこと
僕のこと

声の響き
髪の匂い
耳の形
その体温
色褪せて
色落ちて

半透明な僕の夢
半歩先の君の手
すれ違う想いがいつしか埋まりそうにない距離になった
手と手を繋いだら
目と目を合わせたら
分かり合えるような気がしていたのに

バニラ色の日々が甘く、苦く、切なく
溶けないで僕を焦がしてるんだ
忘れようとしたっていつまでも白くならないまま

涅いシミが
涅い傷が
朝になれば目立つように
君のこと
僕のこと

ふざけあった会話の屑
カメラロール
重ねたもの
色付いて
色濃くて

何回だって伝えてた
難解じゃない言葉も
崩れた積木のよう
やり直しても何かが違うみたいな
手と手を繋いでも
目と目を合わせても
分かり合えないもの
いつから増えたんだろう

覚えのない皹は痛み深く、詮無く
割れそうな君を映してたんだ
忘れようとしたっていつまでも涅くシミになって

失くして色が褪せるもの
失くして色がより濃くなってしまうもの
ノイズみたいに斑に焦げて
思い出模様になる
消えなくなっていく
綺麗になっていく

君といられた頃
気付けていたらな

悴んでる日々が温もりを探す度
どうにも思い出してしまうんだ
忘れようとしたっていつまでも
僕は、まだ

バニラ色の日々が甘く、苦く、切なく
溶けないで僕を焦がしてるんだ
忘れようとしたっていつまでも白くならないまま

覚えのない皹は痛み深く、詮無く
割れそうな君を映してたんだ
忘れようとしたっていつまでも涅くシミになって

溜息は今日も夜に溶ける
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