霧雨の降る場所

透明で埋め尽くした道
濡れた靴で歩いていく
太陽を遮った灰色の雲

人の体温が嫌いだった
言葉にも血が流れているみたいだ
どうして 誰かを想像している
水溜りの上に沢山の僕等
溺れる程じゃないけど
「生きていて良かった」なんて笑うな

憂さ晴らしの為だった重なりが
染みを濃くしていく
なあ誰の顔も覚えられないんだ
離れていて出来るだけ遠く
人はいつも傷だけを残していくから

見えてるものが違うだけで
冷たさは氷菓、嚥下した
喉を掻いて落ちる

慰めが嫌いだった
悲しみの声を注げるだけ注いだ
6度5分の脱力感
痛い現状 噛み締めて
袖の無い服は着れないまま
「大丈夫」なんて笑うな

例えば終日隣り同士で
否定ばかり集めても意味がないよな
雨粒が線を引いた距離で
悪い話を囁けば幸せになれるか

見えてるものが違うだけで
虚しさは錠剤、嚥下した
思考放り出し落ちる

憂さ晴らしの為だった重なりが
染みを濃くしていく
なあ誰の顔も覚えられないんだ
離れていて出来るだけ遠く
人はいつも傷だけを残していくから
雨 振り尽くした道
濡れた靴で歩いていく
太陽を遮った灰色の雲は寡黙に
離れていて出来るだけ遠く
人はいつも哀だけを残していくから
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