盛り場哀歌

十九、二十才で 故郷(くに)を捨て
苫小牧から 船に乗る
花の東京へ 出て来たが
ネオン無情の 風が吹く
銀座 赤坂 六本木

苦労なんかにゃ 負けないが
雨の降る夜は 泣けてくる
二人で歩いた ウトナイ湖
想い出させる ひとり酒
渋谷 新宿 池袋

流れ女の 哀しさを
夜の化粧で 知りました
浮草稼業の 私には
所詮実らぬ 恋ばかり
中野 原宿 吉祥寺

勇払(ゆうふつ)平野の 夢を見て
泣いているよじゃ まだ若い
気強く生きよう 北国の
道産ン子気質(かたぎ)の 意地がある
上野 浅草 錦糸町
×