ひとり風の盆

くち紅を
涙と一緒に ふき取れば
夜風がしみます くちびるに
あなたを忘れに 来たけれど
未練が哀しく からみつく
流れ流れて 風の盆

いつの日か
ふたりで来ようと 言っていた
夜流しぼんぼり 坂の町
あなたを恨んで しまえずに
いいことばかりを 数えてる
おわら恋唄 風の盆

ゆきずりの
私に今夜の 宿もなく
さまよう八尾(やつお)は 水の音
あなたと隠れて 住めたらと
今さら愚かな 夢を見る
すすり泣くよな 風の盆
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