じょんから雪礫

ひとつ越えても またひとつ
よされ世去(よさ)れと 吹きつける
生まれ九(ここの)つ 凍える指に
無情峠(むじょうとうげ)の 雪礫
じょんから じょんから
三味を抱えて 撥(ばち)を打つ

見えぬ目だとて 容赦(ようしゃ)なく
母が教えた 針と糸
何で無い目に 涙が落ちる
出来ぬと言えば 飯を抜く
じょんから じょんから
喉のつぶれた 声で泣く

今度生まれて 来るときは
たとえ虫でも 目が欲しい
ついて行きます 親方様に
瞽女(ごぜ)の道行き 修行旅
じょんから じょんから
腰にゃ命の にぎり飯

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