傷花

傷を舐め合う価値に
傷つけられたみたい
無償に振り撒かれた
愛の無視を食らう

痛がる胸に混じる
知らず知らずの悦の
名付け親になるかは
そりゃ貴方次第

甘いものばかりじゃ
虫歯になる

痛む言葉に近づいたら
私の心で出来たハリボテだった
差す用の水で水やりを
沁みる傷口から花が咲く

開いた口からトリが溢れた
捕らわれない事をただ願う
いつの間にやら群れを率いたら
迎えに来てよ

棚に上げたものを
見せ合おうよ

許せる理由を探したら
私の心が小さく手を挙げてた

泣く用の水で水やりを
沁みる傷口から花が咲く

どんなに誰かの吐き出した
吐瀉物を全て飲み干して
不味くないよと差し伸ばしたとしても

その場凌ぎの痛み止めは
長く続いてくれはしないから
貴方は貴方の分を

顰める顔を眺めてたら
私の過去から出来た思い出だった
出しかけた水で水やりを
沁みる傷口には花が咲く
ひらり散りゆくまでここに咲く
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