雨の宿

ひと夜(よ)限りの いで湯の恋は
咲いて儚(はかな)い 一夜花(いちやばな)
つぎの逢瀬(おうせ)を 交(か)わせぬままに
すがる背中が 愛(いと)おしい
おんな心に 降り注(そそ)ぐ
むせび泣くよな ア~雨の宿

枕せせらぎ ほのかに灯(とも)る
影に解(ほど)ける 名古屋帯
隠す恥(はじ)らい 流れにまかせ
揺れて静かに 笹の舟
おんな心に 降りしきる
すすり泣くよな ア~雨の宿

後髪(うしろがみ)ひく 別れの夜明け
みれん残り香(が) やるせない
思い切れない さだめの川に
浮かぶ面影 夢のあと
おんな心に 降り止(や)まぬ
しのび泣くよな ア~雨の宿
×