灯蛾

暗がりの世界の中でボクは一人
ただ トボトボと音立て歩くのです

25時過ぎ ふわり灯る一つの街燈に
群がる虫達 を背にこぼれた気鬱な心模様
夏が終わろうとしている

友人も恋人も仕事も全て
夜空に浮かんだ光のように
消えちゃえばいいのにな

25時過ぎ ふわり灯る一つの街燈に
群がる虫達 を背にこぼれた気鬱な心模様
夏が終わろうとしている

窮屈なこの場所もあの街さえいっそ
深く吐いたタバコの火煙が
消してくれないだろうか

そんなこと思う自分がいてもいいと思うのです

翅音立て ぶつかって
あぶれてしまったって もう
気づけば夏の後ろ姿に 手を伸ばしていたんだ
飾り気ない翅 広げ
星粉を撒いたボクは
灯蛾の一頭
唄い叫んでるのだ 静かに

25時過ぎ ふわり灯る一つの街燈に群がる虫達
を背にこぼれた気鬱な心模様
夏が終わろうとしている

25時過ぎ ふわり灯る一つの街燈に群がる虫達
を背にこぼれた気鬱な心模様
夏が終わろうとしている
夏に縋る 火取り虫だ
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