黄昏の雪

昼すぎの雨は 一度やんで
黄昏に振りむけば 雪へと変わる

あなたと別れた日の 遠い冬と同じ

住む街を探し 二人が選んだ
小さな部屋に一つ 花を飾って
何よりあなたが 大好きだった
永遠の愛と信じて

あの人のことは まるで昨日
街角に少しずつ 灯りが燈る

バス停の列は 長く続く
ビル街を包むのは 夜霧のベール

吐息を指に掛けて そっと瞳閉じる

誰もが心に 大切な過去を
優しくくるみながら 生きているから
時々こうして 消えないように
思い出を抱いてあげるの

黄昏の雪が 肩に髪に
街角に少しずつ 灯りが燈る

帰らなきゃ待っている 家族の許へ…
×