バビロニアの世界地図

骨が浮き出てきた
僕の背中を見て
君は羽ばたく為の
羽だと言った

飢えた民衆の叫びを
君は音楽と呼んだ
イカれた支配者は
偉大な指揮者なのかい?

黒い雨が降ってきて
信号機の色も落ちて消えてしまった

ドーピングさえも効かなかった
僕らのスタートダッシュが
滑稽に見えても構わないさ

コンタクトしてもぼやけていた
ゴール地点を睨む顔が
滑稽に見えたなら
笑っておくれ

君の痩せたあばらを
指でなぞって
二人だけの歌を
歌いたかった
けれど君はきっと
僕が見えない
君は幽霊が見えても
僕が見えない

白い傘を持っていた
愚か者の涙
すぐにバレてしまった

損だとしても逃げなかった
このレース走る僕が
滑稽に見えてもかまわないさ

音楽室から眺めていた
君という名の僕がー
こっちを見下ろしてさ
笑っているよ

丸い地球に住んでる
僕ら解り合えないなら
バビロニア人の地図みたいな
平らな世界に戻しておくれよ
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