帰郷

歳月の流れを 知らないふりで
岬めぐりの 黒潮が行く
愛しき女よ どこにいる
おまえはすでに 散ったのか

おれを愛した 白い花
瀬戸で別れて もう五年
若さ一途に 故郷を捨てた
男ごころを 責めて呉れ
愛しき女に 逢えるなら
破れた夢も つくろえる
おれの帰郷が 遅すぎて
瀬戸の夜空に 消えたのか

歳月のうつろい 知るのはつらい
逢えぬ想いが なおつらい
愛しき女の 唇よ
思い出だけが 波になる
おれを抱くよな 優しさで
瀬戸の小島を 洗うのか
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