白い浮雲

火を噴く山を 見上げたら
涙こぼれる 二年ぶり
落葉松の林 つきる空に
あの日のままの 雲ひとつ

死んでもやれず 抱きもせず
あの子一人を 山裾に
ふり棄ててにげた
弱い俺が 今更何を 悔みごと

火を噴く山を 見上げても
誰がふたたび 呼ぶものか
ほろにがい影の 白い雲よ
せめては秋の 風に散れ
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