夏のアウトロ コオロギの鳴く頃

“マーブル模様の空の向こう
あれよあれよと陽が転がる。”

“黄金がかった緩い風が
そっと草花の前髪を撫でる。”

“木陰に丸まった野良猫が
こちらを睨んだまま欠伸する。”

“弛んだ電線から飛び立って
やがて鳥達が山に溶ける。”

ギターの生えた背中を揺らし
脂汗のようにうじうじと旅路を行く。

夏のアウトロ。
コオロギの鳴く頃。
歩けるだけ歩こう。
何はなくとも。

覚悟の出涸らし
苦笑いに溶かし
細かに細かに
街々を徘徊。

不甲斐ない
足取りにこそ
生まれ宿る
フレーズがあると願いたい。

描きたいがまま
常識をまず解体。
繋ぎたいがまま
五・七・五を問わず俳諧。

片付けようとすればするほど
余計に散らかってしまう。
胸のそこかしこに揺れる面影
余計に散らかってしまう。

知らず知らず
アイツの歌を口ずさんでいたことにふと気づく。癪だ。

夏のアウトロ。
コオロギの鳴く頃。
歩けるだけ歩こう。
何はなくとも。

覚悟の出涸らし
苦笑いに溶かし
細かに細かに
街々を徘徊。

不甲斐ない
足取りにこそ
生まれ宿る
フレーズがあると願いたい。

描きたいがまま
常識をまず解体。
繋ぎたいがまま
五・七・五を問わず俳諧。
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