母ちゃんの挽歌

苦労を数えちゃ いけないと
いつも母ちゃん 云っていた
親子三人 川の字で
せんべい布団で 寝てた頃
そんなあの日が 笑ってる
夕陽の向こうで 笑ってる

貧しい暮らしで 教わった
生きる辛さも 幸せも
月に一度の もつ鍋を
囲んだ夕餉(ゆうげ)の 笑い声
思い出します あの匂い
カタカタやかんの 音がする

母ちゃん寒くは ないですか
空を見上げて ひとり言
早いもんです 二十年
あなたを浮かべて 手を合わす
今度生まれてくる時も
あなたの子供で いいですか
あなたの子供で いいですか
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