アンテナ

埃まみれてる
倉庫の裏のバンジョーの陰
やつはそこにいる はじめから待っている

ペリカンのくちばし
ライオンのたてがみのように
恐竜の眼のように光る スイッチで

生き残ってた トランジスターラジオ
感度は散々なもの だけどなんだか全身が
揺れる 揺れる 揺れる

そして回路は作動する 強い電波が
ああ降ってくる 僕の大脳辺縁系
焼ける 焼ける 焼ける 焼けちまうようだ

きっと 気づいてる
倉庫の裏のバンジョーの陰
やつは眠ってる その時を待っている

ダイヤルはまぼろし
アンテナはげんかくをみせ
恐竜の眼のように光る スイッチで

生き残ってた トランジスターラジオ
感度は散々なもの だけどなんだか全身が
揺れる 揺れる 揺れる

サマルカンドの少年も クラスメイトも
科学者も みんな聞いてる
白亜紀の ラジオ ラジオ ラジオ

タンバリンもシンバルも
いまは天国のイスカンダルも
みんな聞いてる
白亜紀の ラジオ ラジオ ラジオ

インディアンもマンモスも
いまは絶滅した動物が 蘇るよ
白亜紀の ラジオ ラジオ ラジオ
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