宇宙の季節

最初からもう間に合わない場所に居たんだ
遠い日の模様 褪せるまではここで待っている

寝息や鼓動 汗や熱が背中に伝う
思わず息を飲んでしまう 空気が止まる

声に出すべきじゃない 思い出してはいけない
繰り返す季節 別々の匂いを一人きり置き去りに

春が来て裸足になってしまいたい僕ら
砕けそうなほど手を握り
夜がまた日差しになって町並みを襲う
ここじゃない何処かへ逃げたいだけ

最後はもう塵になって吹き曝される
すべては今薄暗くて寒い場所に立つ

憂うべきことはない 涙流すこともない
ただこの場を(この場だけを)
望むため生きている
暇なく

僕はいまここに居て そこにあるいのちを見て
透き通る影とハイライトに満ちた筋書きを辿っている

春が来て裸足になってしまいたい僕ら
姿を認めて手を振って
青空が茜になってお終いを告げる
伝わるのはただの小さな音

ここにいて
帰らないと
戻れないよ
笑ってよ
置いていかないで
今更もう
遅くないよ
分かるよ
分からないよ
でもきっと知っていた

春が来て裸足になってしまいたい僕ら
砕けそうなほど手を握り
夜がまた日差しになって町並みを襲う
ここじゃない何処かへ逃げたいだけ
ここじゃない何処かを失うだけ

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