のら猫二匹

遠くから のぞき込む
こっそりと あの人のこと
外ハネ気味の尻尾をふわり
揺らしながら…

「尻尾?」

扱いにくそうな
のら猫一匹
簡単には懐きそうもない

「何?」

青い瞳のタレ目
毛並みは…
まあ 悪くない

扱いにくくてたまらない
のら猫もう一匹
簡単には手懐けられない
赤い瞳のツリ目
可愛げなくて つれない態度
本当は甘えたい

喉を鳴らして すり寄って
撫でられると 嬉しくて

真っ暗で 星もない夜
僕がそばで あなたの目となって…
寄り添いたい

必ずやって来る
夜も闇も
それは…変わらない

「…安定、俺達も行くぞ」
「…うん…もう少しだけ」
「…」
「…」


暗闇できらり青く光る 僕の目
君がよく見上げていた あの星と
似ている色
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