昼顔

ビルの空き地を 熱い風が通る
壊れたブロックに絡まり ピンクの花が微笑む
ヒルガオ ヒルガオ おまえも私と同じね
ヒルガオ ヒルガオ 闇夜にうなだれる花
わたし これから あの人に会うのよ…
望んだ形じゃないけど 好きだからいいの
過去も傷も無い きれいな世界で
あの人の白日夢(ゆめ)に 溶けてゆく

遠い潮騒 聞いた過去の記憶
運命(さだめ)のトラックに運ばれ 都会の砂で目覚めた
ヒルガオ ヒルガオ おまえも故郷はぐれね
ヒルガオ ヒルガオ 海にはもどれない花
わたし いつまで あの人と会えるの…
遊びと気づいた恋でも 好きだからいいの
空も星も無い やすらぐ所を
あの人の胸に 見つけたわ

ヒルガオ ヒルガオ おまえは強がり迷子ね
ヒルガオ ヒルガオ 泣くのをあきらめた花
わたし あすから どうやって生きよう…
誰かのこころの空き地を 捜さなきゃだめね
人が夜に這う ながれる世界に
帰り着くバスを ひとり待つ
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