恋紅

遠く汽笛が急かせるように
あなたの呼んでる 声になる
今日の帰りを 故郷で
指折り数えて 待ちました
月も雲間に 月も雲間に
夢のようです あゝかくれんぼ

下駄の音さえ ときめく胸に
聞こえてきます からころと
あの日と同じ 帯締めて
嬉しさこらえて 駆け出せば
髪にはらはら 髪にはらはら
さくら舞い散る あゝ里の駅

耳をすませば 昨日のように
ふたりの想い出 連れてくる
祭り囃子(ばやし)を 聴きながら
おくれ毛優しく かきあげて
恋の紅差す 恋の紅差す
窓の向こうは あゝ茜空(あかねぞら)
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