火事と喧嘩は江戸の花

「どいたどいたや組纏(まとい)のお通りだい!」

江戸の火消は いろはにほへと
や組纏(まとい)の 新八は
お光にゃ弱いが 炎にゃ強い
櫓(やぐら)で半鐘 ジャンと鳴りゃ
背中(せな)の唐獅子(からじし) 目を覚ます
火事はおいらに 任せてくんな

やっと射止めた お光の心
そこで北風 横恋慕(よこれんぼ)
たちまちお江戸は 炎の餌食
負けてなるかよ 纏を振って
甍(いらか)またいで 仁王立ち
江戸はおいらに 任せてくんな

刺子袢纏(さしこばんてん) 鳶口(とびくち)握り
屋根を伝って 火の中へ
右脇年寄り 左は子供
火の粉あびつつ 抱えて走る
火事と喧嘩は 江戸の花
命おいらに あずけてくんな
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