コンコース

ここでいいよと振り返る君
新幹線のりばはまだ向こう
いつもみたいな「またね」じゃなくて
「さよなら」に戸惑ったコンコース

君と僕なら こんな距離など
乗り越えられると言ったあの日と
おんなじ服を着ている僕と
見慣れないコートを羽織った君

寂しいのはこれまでも同じ そう言って笑うその横顔に
交わした声や連ねた文字じゃ 気づけなかった君がいた

今もまだ 好きで 好きで 仕方ないから
帰り道はきっと
泣いて 泣いて いつか君の幸せ
願える時まで

君を真似して買ったスタンプ
たまにはとペンで書きあった手紙
会えない分が 形となって
いつのまにか周りに溢れていた

叶えてね そっと応援してる ありがとう そういう君もねって
着いてもLINE しないでいいから わかってるよって 笑った

今もまだ 好きで 好きで 仕方ないから
しばらくはきっと
泣いて 泣いて いつか僕も次へと
踏み出せる日まで

遠ざかってく君の背中が
人ごみに混じって見えなくなる
駅のライトが一つになって
光の中に君が溶けてゆく

今もまだ 好きで 好きで 仕方ないけど
出会えてよかった
泣いて 泣いて いつか思い出として
抱きしめる日まで
×