男と女

シーツを巻いている
おまえの細い躰
濡れた髪を
指で梳いて
おしまいねと
淋しく笑うから

もう 言えない
疲れたよ
もう 抱けない
悲しくて
もう 切ない
甘い言葉
嘘さ

男と女 はじめから
他人

おまえが部屋を出る
気配に気づいたけど
俺はわざと
黙っていた
くわえ煙草
心に落ちるけど

もう 言えない
疲れたよ
もう 抱けない
悲しくて
もう 切ない
甘い言葉
嘘さ

男と女 いつだって
他人

朝の予感に
消えてくれ
部屋の鍵なら
捨ててくれ
シーツに残る
長い髪は
たぶん

男と女 最後には
他人
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