Wonder&Wander

朝霧が濡らした 木々の葉と草の
深い緑 幾重にまとう その森
なぜ今 連れもなく さまよいゆく少女
迷いのない 足取りはただ 先へと進む

“何を探すんだい?” 森の精は言った
“深いだけの この空虚に”

Wonder...
“この森は 独り者の住処
友のいない僕のための 哀しい寝床”
“ならこの森は 誰よりも私の居場所
すべての愛する人 亡くした私の”

少女のこめかみの 痣が疼くたび
親しい人が 必ず命 落とした
呪われし者だと 追い出されてから
歳をとらず 一人きりずっと ただ生きてきた

“もう誰もいない” 少女はつぶやいた
“疼き止み 人は消えた”

Wonder...
“いつだったか 歩きはじめたのは
孤独なんて忘れるほど 時が経った”
“ならこの森を 今すぐに去った方がいい
親しさ知らぬ僕じゃ 君を癒せない”

深い森のどこにも 終わりはなく
ならばせめて哀しみ 二人で分け合えたなら…

Wonder...
“この森は 独り者の住処
友のいない僕のための 哀しい寝床”
“ならこの森は 誰よりも二人の居場所
だからさあ 一緒にいよう”
“僕ら最初の”“いいえ、最後の”
““友達になろう””
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