青春以後

あがないの夢からさめた
おれたちは空を飛んでいるみたいさ
十の荒野で

祈りの旗を降ろしては
アスファルトに刻みこんだ轍を
埋めていく

裏切りを分かち合った
おまえの去っていく後ろ姿が
見える朝に

煙たなびくため息と
やけに諦めのいいあくびだけが
続いていく

もう届かない もう戻らない
恋が終わっていくような耳鳴りさ

腐りかけた花ひとひら
愛し合う抜け殻だけが散らばる
十の荒野
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