卒業の唄

寂しさ含んだ凛とした空気は、
晴々しくも少し冷たく。

“また会おうね”と言ってはみたけれど、
会えないことも分かってるんだ。

独りきり教室の隅、後ろの席に座ってた。
賑やかな黒板のメッセージ眺めて。

みら、みら、みらい。まだ見ぬ未来。
今こそ別れめ、いざさらば。

きら、きら、きらり。煌めいていた。
思えばいと疾し、この年月。

果てしなく続くこの人生(みち)の先には、
まだ幾つもの“卒業”がある。

その“卒業”をひとつずつ迎えて、
僕らは強くなってゆくんだ。

逃げ込んだ保健室ではくだらない話をしてた。
そんな日々も今では懐かしくなるよ。

くる、くる、くるり。思い出くるり。
蛍の灯火、積む白雪。

めぐ、めぐ、めぐる。めぐる季節に。
忘るる間ぞなき、ゆく年月。
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